イギリスのISA (Individual Savings Account) は複数の種類があります。
アイサと読みます。
預金用や投資用などで用途や内容が違うのですが、いずれも非課税口座です。
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Lifetime ISAとは
その中で、マイホーム一件目の購入資金か年金として利用できるのがLifetime ISAです。
Hargraves Landsdown、Nutmeg、AJ Bellといった複数の金融機関で取り扱いがあります。
概要
- 18歳から39歳の人であれば口座開設が可能
- 50歳まで入金ができる
- 年間の非課税額上限は£4,000
- 入金した額に応じ、国が25%分のボーナスをつけてくれる
- 初めての家の購入資金に使える
- もしくは60歳以降に資金として使える
1,000ポンドを口座に入れると、250ポンド分をボーナスとして上乗せしてくれるので、合計1,250ポンドになります。
年間上限は4,000ポンドなので、満額入れるとすると、国からの貢献分を含めると合計は5,000ポンドになる計算です。
また、取り扱う金融機関によって、利率に差が出ます。
そして、得られる利息は、国からのボーナスを含めた口座全体にかかりますし、またボーナス分も非課税になります。
注意点
年間額に限度はあれど、25%の利回りとも言い換えられますね。
しかしながら勿論注意点があります。
- 買えるマイホーム(一軒目)の金額に上限があり、2021年現在は450,000ポンド以下の物件でのみ利用できる。
- マイホームの購入で利用せず、年金として使う場合60歳まで引き出しができない。(もしくは病気で末期の診断をされた場合)
- 途中で引き出した場合、国のボーナス分も含めた金額の25%を引かれてしまう。
- 開始した日から12か月は資金を利用できない(例えば家を購入したい場合)
家の価格はイギリス全土で見れば、450,000ポンドあれば十分な家を購入できますが、ロンドンやイングランド南東部では高い傾向にあるので、450,000ポンドでどういった物件が購入できるかは地域により確認が必要です。
途中引き出しは、政府からのボーナス分だけではなく、すべて含めた額の25%なので、約7%程元金割れになります。
ISAの年間非課税枠の上限
複数の種類のあるISAですが、LISAもその一つです。
ISA全体の非課税額は年間20,000ポンドとなり、預金用のCash ISAや、投資用のStocks and Shares ISAなどと共有することになります。
仮に、LISAに4,000ポンド入れた場合、残りのISAに使える金額は16,000ポンドとなります。
会社員は利用すべきか
企業に勤務している場合、会社で年金制度を利用している所がほとんどだと思います。
本人が給与からの天引き率を5%に設定したる場合、企業は最低でも3%分貢献する必要があります。
またHigher Tax ratesの人は、本人の年金の貢献分に対し、40%の節税効果もあります(Basic Rate20%の人は20%です)。
上記を見ると、会社員はLISAにふんだんに入金するより、まずは会社の年金スキームを最優先で利用する方が良いのかなと思います。
プロバイダー候補
Cash LISA口座は維持費はかかりませんが、LISAで投資を行う為にStock and Shares Lifetime ISAを開く場合、口座の維持費がかかります。
先に挙げた金融機関だと、口座維持費は0.25-0.45%です。
また、一回の取引ごとに、取引料も発生する金融機関もあります。
株価成長で伸ばす事が出来る分、長期的に持つ場合は、Stocks and Shares LISAの方が、25%のボーナスのみであるCash ISAよりも、伸びしろがあるかと思います。
Cash ISAは、金融機関で利息が異なります。
現時点で利息の高い金融機関を3つほど並べてみました。
Money Box
Money BoxのCash Lifetime ISAは初めの一年の金利は現時点で0.85%です。
0.5%(変動制)がベースとなる基本年利で、0.35%が初年度ボーナスです。
というわけで、二年目以降はボーナス分がなくなった0.5%になります。
*2022年3月現在、基本年利は0.25%に下げられています。
The Nottingham Building Society
こちらの年利は0.8%。
Paragon Bank
こちらの年利は0.5%です。
口座開設は無料でできるのか?
Cash LISAの場合は、いずれの金融機関も、1から10ポンドで、まずは口座開設が可能です。
(いずれの金融機関も、Stocks and Shares LISAも提供しています)
またプロバイダー間で、LISA口座をトランスファーする事も出来ます。
(私の場合は1か月ほどかかりましたが、元本も、ボーナス分もそのままでした)
参考になれば幸いです。
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